酒と煙とロック42 (Jタル/ベネフィット)
ジェスロ・タルといえばイアン爺さんと決まったもんですが。
味わい深いボーカル、変幻自在のフルートはもちろん、情感たぷ~りのアコースティックギターの音色もなんとも言えません。
しかしながらマーティン・バレの存在を忘れてはいけません。彼は2枚目「スタンド・アップ」から最後まで、一身にエレキギターのパートを受け持っていました。そしていつもイアン爺さんとの調和が見事で、曲を盛り上げます。
ということでタルの3枚目のアルバム「ベネフィット」です。
キーボードのジョン・エヴァンが加わってさらに音楽性が広がりましたが、全体を通してギターが全面に出ている印象の一枚です。
A面では「ウィズ~」の怪しげなフルートとの掛け合いが絶妙、続く「ナッシング~」や「サン」ではギターが泣きまくりです。
B面最初の「トゥ・クライ~」でもやはりバレのギターを縦横無尽に聴かせ、「ア・タイム~」ではボーカルとの絡みがたまりません。そして引き続き軽快な「インサイド」、激しい「プレイ~」といつもながらのフルートもたまりません。
もちろん「マイケル~」「ソッシティー~」のイアン爺さんのアコースティックも情緒豊かで、A面B面それぞれの最後に深い余韻を残して終わらせます。
ちなみに有名な「ティーチャー」はUS版でB面#3、「インサイド」がA面#3となっていますが、ずっとUK版(日本版)を聴いていたので、残念ながらどうもこのアルバムでは「ティーチャー」がしっくりきません。単独だと名曲なんですが。
まあ 世間的にはどうも暗いとか殺伐としたみたいな評価ですが、私にとっては何故か最初の頃から一番聴きこんでいるからか、しんみりと懐かしさが湧いてきます。
浅き夢見しゑひまくり~の一枚でした。
ジェスロ・タル/ベネフィット (1971)
Jethro Tull / Benefit
A面
1 ウィズ・ユー・ゼア・トゥ・ヘルプ・ミー (6:15)
2 ナッシング・トゥ・セイ (5:10)
3 アライヴ・アンド・ウェル・アンド・リヴィング・イン (2:43)
4 サン (2:48)
5 マイケル・コリンズとジェフリーと私のために (3:47)
B面
1 トゥ・クライ・ユー・ア・ソング (6:09)
2 ア・タイム・フォー・エヴリシング? (2:42)
3 インサイド (3:38)
4 プレイ・イン・タイム (3:44)
5 ソッシティー;ユーアー・ア・ウーマン (4:31)
つづく