酒と煙とロック17 (Jタル/神秘の森)
お盆はあちこち田舎に行きました。
濃霧の山道、雨中の峠道などをさまよいながらのドライブでした。そして雨上がりの森の中から聞こえてきたのは・・・
Songs from the Wood です。
フォークソングというと何か庶民ぽいイメージなんですが、ジェスロタルのトラッドフォークはすごく奥ゆかしいというか味わい深~いです。
ほぼ全編、アコースティックギターとフルートがしみじみと、そしてドラムは控えめながら時にハードに、しかしイアン爺さんの歌声があくまで侘び寂びです。
表題曲(邦題は何故か異なる)の「大いなる森」は、まるでクラシックのような展開とキッチリとした構成のブリティッシュロックらしい素晴らしい曲です。
大作の「ピブロック組曲」もアルバムのクライマックスを飾るに相応しい名曲です。
そして数あるタルの名曲の中でも特別好きなのが「森の笛吹き」です。メロディもコード進行もギターやフルートの音色も、もちろんイアン爺ぃの歌も心の奥底まで響いて、深い森の奥に引きずり込まれてしまいます。
もちろん他の曲も全体構成も申し分のないフォークロックの最高傑作アルバムです。
ちなみにジャケットは定番のヘンな姿でなく、珍しくまともなイアン・アンダーソンです。
ジェスロ・タル/神秘の森(1977)
A面
1 大いなる森 (4:52)
2 緑のジャック (2:27)
3 カップ一杯の不思議~クリムゾン・ワンダー (4:30)
4 女狩人 (5:11)
5 至高の鐘 (3:43)
B面
1 優しい緑 (6:03)
2 森の笛吹き (3:30)
3 ピブロック組曲 (8:35)
4 真夜中の灯 (2:26)
つづく