酒と煙とロック27 (レインボー/虹を翔る覇者)
なぜか無性に「スターゲイザー」が聴きたくなりました。
今年最初のアルバムは、ご存じレインボウの2枚目「虹を翔る覇者 Rising」です。
以前すこし、人生経験が浅く感受性が最も強い10代の時期に聴いた音楽が一番心に響くという話をしました。その曲を聴くとその頃の記憶がよみがえり、感慨深いものがあります。もちろん音楽だけでなく五感全てに言えることだと思いますが、私の場合、食べ物は「カツカレー」、景色は「富士山」、匂いは「煙草」、触覚は「???」。
そして音楽では「クリムゾンキングの宮殿」の一連の作品と並んで、この「スターゲイザー」が最も血沸き肉躍らせてくれる一曲です。
このアルバムと3枚目の「バビロンの城門」がロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)とコージー・パウエル(Ds)を擁した黄金期、いわゆる三頭政治と言われています。確かに、太く伸びのあるボーカルと力強く叩く8ビートのドラムがリッチー・ブラックモアのギターと見事に一体化して相性抜群です。
できればこのメンツであと2~3枚はアルバム作ってほしかった、というのがファン共通の思いです。
ともかく出だしからキーボード、ギター、ドラムが順番に入ってくる導入部でワクワク始まる「タロット~」のメロディがいいですね~。
A面の他も傑作揃いですが、B面の大作2曲はもっと素晴らしいです。特に「スターゲイザー」はリッチーの魂が乗り移った鬼気迫る壮大な作品です。オーケストラ・サウンドとともに心を揺さぶるボーカルや激しいバスドラとシンバルが圧巻です。
そして「ア・ライト~」ではリードソロの前と終りの定型フレーズ。リッチーの何が好きかと言えば、古くは「チャイルド・イン・タイム」から「紫の炎」や「キル・ザ・キング」など、リードソロの前後に挿入されたこういったメロディアスなパターンがもーたまらなくたまりません。
もっぱらコピーに精を出すへっぽこギタラーの私にとって、これらのフレーズをマスターすることが煙草と並んで何よりも幸せな「天国への快感」です。
レインボー/虹を翔る覇者 (1976)
A面
1 タロット・ウーマン (5:56)
2 ラン・ウィズ・ザ・ウルフ (3:48)
3 スターストラック (4:06)
4 ドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズ (2:58)
B面
1 スターゲイザー (8:26)
2 ア・ライト・イン・ザ・ブラック (8:12)
つづく