酒と煙とロック10(Jタル/アクアラング)
泳げません、全く。
とにかく小学校の最初からプールの授業がイヤでイヤで仕方ありませんでした。だって鼻から水が入ってオエ~てなってゲボ~てなって苦しいたらありゃなしやです。
そんな時、一家に一本、あったらよかったアクアラングです。
痛む足を曲げてタバコの吸いがらを拾って吸おうとし、息も絶え絶えに苦しみあえぎながらアクアラングを求め、狂い咲きしたお花畑の中で潜水音を聞きながら死んでいく老人。私もプールで同じようにわけのわからない気分を何度も味わいました。正にジェスロ・タルの「アクアラング」の老人そのもの、孤独でわびしく、苦しくてあわれな少年時代だったのです。(まあそれから何十年の~の~と生きてますが)
で、ジェスロ・タル4枚目の名盤「アクアラング」ですが、ジャケットのイアン・アンダーソン扮するみすぼらしい老人が公園のトイレで死んでいく1曲目「アクアラング」は正統派ブリティシュ・ハード・ロックとトラッド・フォークをミックスした名曲です。スタジオ盤もいいですが、この曲、ライブだと格段に素晴らしいです。照明効果も抜群で、エンディングのアレンジも最高です。DVDとかいろいろ出てると思うけど、必見。
もちろん他の曲もハード、トラッド、フォーク多彩で秀作揃いですが、特に有名なのは「蒸気機関車のあえぎ」。ロック史上に残るカッティングのリフもさることながら、フルート・ソロではイアン・アンダーソンの唾液がこっちまで飛んできそうな迫力です。
ともかくこのアルバム全てが心にしみるいい曲ばかりです。てか、好きな曲ベスト300選んだら、恐らく200曲以上はジェスロ・タルになってしまうくらい大好きです。
ジェスロ・タル/アクアラング (1971)
A面
1 アクアラング (6:34)
2 やぶにらみのマリー (4:06)
3 失意の日は繰り返す (1:21)
4 マザー・グース (3:51)
5 驚嘆 (1:53)
6 アップ・トゥ・ミー (3:15)
B面
1 マイ・ゴッド (7:08)
2 讃美歌43番 (3:14)
3 後流 (1:13)
4 蒸気機関車のあえぎ (4:23)
5 終末 (6:01)
つづく