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ヤマダ電機の申告漏れは悪質か

いつものようにお決まりのコメントが湧いてます。

 

ヤマダ電機、40億円申告漏れ 子会社への貸付金巡り

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180126-00000007-asahi-soci

2018/1/26(金) 5:00配信 朝日新聞デジタル

 

こういう記事が出ると、ヤマダ電機は脱税した悪い会社という印象を持つ人が圧倒的だと思います。現にコメント欄は「意図的」「上場企業のやることかよ」「悪質極まりない」「犯罪」「脱税だってーのw」などなど。しかも赤ポチ(そう思う)が圧倒的です。

別にヤマダ電機に肩入れする気は全くないですが、それにしてもこれらは名誉棄損レベルの程度の低いコメントですね。そしてさらに会社のサービスなどにまでここぞとばかり悪口をつらねていますが、とりあえず関係ないでしょうに。

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記事では本来の税額とは別の追徴税額が6億円となってますが、これは過少申告加算税という最も軽い15%のペナルティです。つまり国税局が悪質だと判断しなかったことを意味します。悪質な場合は35%の重加算税が課せられますが、これが一般的に脱税と呼ばれるものです。

 

そもそも「マルサの女」で有名な査察が入った訳でもなく、記事に「脱税」の文字があるわけでもありません。

また企業の経理担当者は少しでも節税処理を心がけますが、国税調査官は因縁をつけてでも否認して追徴課税しようとします。この場合も記事に「原則として」とあるように企業側は何らかのロジックを考えたんでしょうが、国税側が認めなかったということでしょう。いわゆる「見解の相違」というやつです。

結局は力関係で国税側に押し切られるのがパターンですが、こんなものどの会社でもよくある話です。ただ企業の知名度と金額でニュースになるかならないかだけのことです。

 

ヤマダ電機は全く「悪質」ではなく、まして「犯罪」でも「脱税」でもないので念の為。

税務調査の現場をロクに知りもしないド素人が、さらに世間の偏見を増幅させるという話です。