SMOKE on the ROCK

タバコとロックとすけろく

障害者の可能性を閉ざす偏見

沖縄タイムスとともに、なにかと偏向報道を非難される新聞ではありますが。

「俺ってこの程度なんだ…」 定員割れの県立高校二次募集でも不合格 学習障害の少年に突き付けられた厳しい現実 〈高校でも一緒に・定員内不合格を考える〉① - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

2020/02/10 配信

 

やっぱり世間は障害者を全く理解していません。

ヤホーのコメント欄を見ると、悪意はないんでしょうけど、救いのない意見に満ち溢れています。義務教育ではないのだから一定の学力がなけりゃ定員割れでも入学できないのが当たり前、とか、なんでも障害者と言えば通ると思うな、とか。発達障害と知的障害を混同しているというか、障害者と見れば一律に決めつけてしまう人が圧倒的多数です。

ちなみに、この学習障害というのは、別に知能指数が劣っているわけではありません。従って特別支援校には入学できません。付け加えると、この人の居住している沖縄県では、下位の公立よりも低いレベルの私立高校はないそうです。

f:id:jethrotull:20200212163610j:plain

アメリカなどでは入学よりも卒業(資格)の選考が重要視されたり、沖縄以外では真面目に頑張る姿勢があれば受け入れる高校がいくらでもあります。つまり将来3年間の可能性を受け入れるということです。

別に授業を妨害するわけでもないのに、人並みの高校生活を送りたいと思う彼の希望は贅沢なんでしょうか。中学でほぼオール1だった学習障害の生徒が、進学した最底辺の高校の授業ですら全くついていけなかったものの、自宅で親と必死に勉強し、なんとか人並みの成績を残して卒業した例もあります。障害の程度にもよりますが、自宅学習の工夫と努力によってある程度克服できるのに、世間は健常者目線で障害者の今現在の一律的な能力しか見ようとしないのです。

まあ必ずしもうまくいくとは限りませんが、それはそれで本人も諦めがつくというものです。授業料も払い、別に誰に迷惑をかけるわけでもないのに、この記事の少年のようにいきなり門戸を閉ざされると、やっぱり障害者だからと益々社会から離されてしまうことになります。